胸が鳴るのは君のせい

 

 

 

一年前の今日、「胸が鳴るのは君のせい」のキャスト発表があった。

 

主演として名前が記載されていたのは、今でも変わらず大好きな彼の名前だった。

 

 

正直な話、おめでとうの気持ちと同時に、二つの意味の「なんで?」が出てきた。

 

「ジュニアなのに!?大抜擢過ぎない?」これが一つ目。

昨今、ジャニーズJr.の供給が増えていることは何となく感じていた。それでもやっぱり、「主演映画なんてあっていいのか!?グループ内でも、特に推されてもいなかった浮所くんが、本人待望の恋愛映画主演なんて、ちょっと早すぎるのでは?」なんて彼からしてみればお節介と思われるようなことばかり考えていた。

 

 

二つ目は「ほんとうにこの人でいいの?なんで?」

中学生のころから大好きだった「胸が鳴るのは君のせい」

紺野りさ先生の描くイラストと、温かみのあるキャラクターが大好きで、他の作品も集めたりしていた。

ちょっとSっ気のある有馬くんは、まだ夢見がちな(ねぇ、今もだよ cvみっちー)当時の私をキュンキュンさせてくれていた。そして時が経って高校生になり、長谷部くんの良さに気づいた。素直で純粋、まっすぐな主人公のつかさちゃんは理想の女の子だった。これが私の恋愛の教科書といっても過言ではない。それくらい思い出のある漫画である。

何回も読み返してきた漫画なので、有馬くんを演じるのにぴったりな人を何となく自分の中で見つけてしまっていた。浮所くんでは!?という噂があった時も、紺野りさ先生の「まさに有馬くんという人です!」という言葉を信じて、原作ファンとして、浮所くんではないことを願っていた自分もいた。

 

自分の目で見たものしか信じない人間なので、朝の情報番組の誤爆を自分の目で見たときにようやく真実であることを確信した。「あ、やっぱりそうなんだ」

 

苦しくもあったし、もどかしくもあった。

だけどやっぱり嬉しかった。

 

誰であるのか憶測が飛び交っている状況に光を照らすように答えを教えてくれた。

自分が初めてしっかり応援するジュニアの初主演映画を見届けられるという高揚感は一生忘れないと思う。みんなにおめでとうと言ってもらえたことが、本当に幸せな気分にさせてくれた。

 

 

そしてまた久しぶりに、自分の手元にあった色褪せつつある漫画を手に取る。

「このシーンはあるのかな?」

「浮所くんの演じる有馬くんはどんなものになるんだろう?」

期待で胸がいっぱいだった。

 

 

 

たくさんの宣伝期間を経てようやく公開日。

 

ドキドキしながら、隣と一席空いた自席に座る。

スクリーンいっぱいに映る大好きな人は、いつも見ている彼とは180度変わったキャラクターを演じていた。

新しい浮所くんをまた見ることができて、ドキドキした。

 

初めて見た6月4日、映画のラストシーンで私は涙を流した。

つかさちゃんのセリフで、

「あたしね、有馬を好きじゃない自分が全然想像できないの。もし他の人を好きになったとしたら、それは多分私じゃなくなるんだと思う。何回傷ついても、有馬が大っ好き。」「こんなふうにいつまで私はきみにドキドキさせられるんだろう。きっとこの先もずっときみのせいで、私の胸は鳴り止まない」

というものがあった。

 

つかさちゃんの有馬くんに対する気持ちと、自分の浮所くんに対する気持ちを重ね合わせたら、自然と涙が出てきた。

 

絶対に浮所くんは私の存在なんか知らないし、一生知ることもないだろうけど、浮所くんのことを好きではなくなる自分のことは想像もつかないし、浮所くんがいなかったら今の自分は本当に存在しないんだなと思ってしまった。

浮所くんのことで傷つくことも沢山あったし、これから先も想像したこともない苦しみを味わうことがあるんだろうけど、それでもやっぱり、浮所くんのことはずっと好きなんだろうなと思った。

浮所くんの見せるいろいろな表情に何度ドキドキさせられるんだろう、この先もずっと浮所くんのせいで私の胸は鳴りやまない。

 

「もうこれってオタクと推しのためのセリフじゃん!!!!!」

 

このシーンからの虹の中で。

はーーーーーーーー、ずるい!ずるすぎるな!!!(テンション変わりすぎ)

 

このシーンが大好きすぎて、手持ちのムビチケはこのために使った。

思い出を重ねてしまって、4回は泣いてたと思う。

 

 

舞台挨拶も参加した。

浮所くんのうちわ現場には行ったことがなかったので、

前日に渋谷で映画を見て、そこから家に帰り、当日の朝4時まで目を何度もこすりながらうちわを作った。

初めて横浜の映画館に足を運ぶ。Dream Boysには1月の公演も入ったので、2021年の初めましてではなかったものの、電車の中でめちゃくちゃ緊張した。

大好きな浮所くんに久しぶりに会えると思ったら、ドキドキが止まらなかった。

二回目の胸きみもとても面白かったけど、文化祭のシーンあたりから、「もうすぐ浮所くんと対面だ」と気づいてしまい、映画に全く集中できなかった。

映画が終了して少し時間が空く。そして司会の方が出演者と監督を呼ぶ。

久しぶりの浮所くんが私の前に現れた。珍しく青色のコスチュームを身にまとう浮所くんが新鮮だった。

「あーーーーー現れたーーーーーー大好きな人ーーーー」

他のキャストの方のコメントをうなずきながら聞く浮所くんも、一人一人に感謝を伝えるように会場を見渡す浮所くんも、とても誇らしかった。

最後のコメントで「うちわも沢山ありがとうございます」と言ってくれた時、

夜中まで粘って作った私の努力が報われたような気がした。

「本当にこの人は素敵な人だな」と思った。

 

 

そして何度も映画館に行き、たくさんの友達を連れて、何度も同じ映画を見た。

こんな経験は初めてだった。

 

 

そして大好きな胸きみもすべての映画館で終演を迎えた。

私はその少し前に最後の胸きみを、浮所くんがおすすめしてくれた特等席で見た。

 

 

 

 

 

 

時は経ち、DVDが自宅に届いた。

ずーーーっと楽しみにしていたメイキングを開封してすぐ見た。

 

クランクインの日、シリアスなシーンだからか、どこか緊張しながら挨拶をする浮所くんを見て、人間味を感じた。

いっつも元気もりもりで、明るく大きな声でしゃべる浮所くんは、お顔が少しだけ強張っているような気がした。こんなこと浮所くんに言ったら『営業妨害!!!!』って言われるだろうな。

 

そしてカットがかかると同時に、普段見せてくれる浮所くんに戻る。

キラキラした笑顔と、人懐っこくしゃべりかける浮所くんだ。

 

サッカーをしたり、出演者の方々とおしゃべりをしたり、

今まで見たことない浮所くんを見ることができてうれしかったけれど、

同時に、同年代の人とはこうやって話すのか、、、と少しだけ苦しくなって、嫉妬をしてしまった自分もいる。そんな私を許してください。

 

私がこのメイキングで一番印象に残ったのは、演技に対して真剣に挑む浮所くんを見ることができたこと。

原作の内容と、脚本を照らし合わせて、どのような感情で演技をしたらよいか、共演者の方と一緒にプランを練っていて、浮所くんのファンとしても、原作ファンとしても、本当にうれしかった。原作を読み込んで、大切にしてくれている、そう考えたら、浮所くんは一読者としてもこの作品を楽しんでいるんだなと思った。

 

もともと浮所くんが原作をたくさん読んでくれているのはブログを通して知っていた。

だけれども、どうしてももやもやしたものが私の中には存在していたんだと思う。

そんな中、このメイキングを見ることができて、浮所くんのお仕事に対する真摯な姿勢を見ることができて、もやもやがなくなった。

多分、同じくらいの熱量で、一つの作品を見ることができて、共通点を発見し、嬉しかったんだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

浮所くん、初めての主演映画本当にお疲れさまでした。

 

沢山のプレッシャーの中、最高の作品を見せてくれてありがとう。

頑張りのすべてを理解することはできないけど、

一つ一つに向き合う、一生懸命な姿を通して、浮所くんの本気を感じ取ることが出来ました。

紛れもなくこの作品は君の代表作になるでしょう。

 

浮所くんは今後また、新たに主演映画をする機会が来るのかもしれない。

沢山の新たな作品にかかわることができるのかもしれない。

浮所くんは今もお仕事をたくさん隠し持っているのかもしれない。

 

だけど、もう一生、「初主演映画」を経験することはない。

 

浮所くんの初めての主演映画に少しでも関わることができて、

キャスト発表から、宣伝期間も含め、映画の完走、初めての主演での舞台挨拶を見届けることができて、

本当に幸せでした。

 

これからも浮所くんの「初めてのお仕事」に沢山関わらせてください。

 

大好きな君に、

これから先何度も、何度でも、おめでとうと伝えることが出来ますように。

 

今後も私の道しるべでいてください。